カフェ&レコードショップ奏が愛される理由

どうも!編集部のあいりです。
本日はカフェ&レコードショップを営む奏-かなで-にやってきました。
今年から『DJイベント』『恋活イベント』など、楽しい企画をどんどん展開している奏さんの魅力を深堀りすべく、潜入取材にいってきます!

出迎えてくれたのは店主の石田 一博(いしだ かずひろ)さん。
お店のお客様からは一博さんの「かず」から「カウさん」と呼ばれているそうで、
今日から私も「カウさん」と呼ばせていただくことになりました。

早速、店内へ案内してくれたカウさん。
カウンター越しに「いらっしゃいませ~」と元気よく声をかけてくれたのは、
主に料理を担当しているりえさん。
表にあったブラックボードや店内のメニュー表は全て里衣さんが描いているそうで、
調理からPOP・看板の制作まで、多彩な方だなぁ…と、驚きました。

居心地の良いカフェ&レコードショップ

落ち着いた雰囲気のカフェスペースには懐かしい昭和の名曲が流れます。
幼い頃に両親が好きで聴いていた曲が流れて、なんだかホッとしました。

レコード販売スペースには80年代の邦楽を中心とするレコードがずらり。
「知っている曲だけどレコードジャケットを見るのは初めて」という曲も多く、
当時のアナログなデザインや色使いが、とても格好良く感じました。

私の母親がよく聴いていて、実はライブにも何度か行ったことがある「甲斐バンド」や、
私の父親が大好きな「サザンオールスターズ」のレコードを発見!

「可愛いなぁ…」と、思わず見惚れてしまったのは広末涼子さんのジャケットです。

気になったレコードを1枚セレクトして、実際に聴いてみました。
いつもスマートフォンで聴いているデジタル音源とは全く違う音の質感が妙に心地よく、
ざらついた音に温かみを感じ
ました。

お店の危機を救ってくれた「レコード人気」の再熱!


「どうしてレコードを販売することになったんだろう?」
そんな素朴な疑問をカウさんに尋ねてみました。

元々レコード販売のお仕事をされていたんですか?

以前はCDショップで働いていました。お世話になっていたお店が閉店することになり、現在の場所で自分のお店を出そうと決めたんです。
オープン当時はレコードではなく、CDを中心に販売していたんですよ。

そうだったんですね!
では、なぜレコードを販売することになったんですか?

実はオープン直後に新型コロナウイルスが大流行しまして…。
当時のお客様はカラオケで演歌を歌うためにCDを買うご年配の方が多かったんですが、コロナ禍でカラオケを利用することが出来なくなり、お客様の数も激減してしまったんです。

なんと…。
当時はカフェの営業もされていたんですか?

オープン当時はCD販売のみでした。
経営難に陥って以降、お店の方向性について悩みましたが、コロナ禍を利用して店舗を改装することにしたんです。CD販売にも限界を感じ、レコード販売に方向転換しました。

かなり勇気のいる方向転換ですよね…。

「もうレコードしかない!」という感じで…。背水の陣ですよね。
実は店舗の改装もりえさんが一人でやってくれたんです。彼女が居てくれたから、カフェの営業にも踏み出すことができました。

ひ、ひとりで⁉
里衣さん、なんでも出来るじゃないですか!お一人で改装とは…。
カフェの営業を開始されたのも、最近だったんですね。

レコードショップにカフェを併設した今のスタイルは2022年11月からですね。

レコードはまさに奏の救世主だったんですね。
そんなレコードの中でカウさんがご紹介したい1枚はありますか?

レコードに馴染みのない世代でも分かる、アニメ「ワンピース」の挿入歌をまとめたAdo(アド)さんのレコードですかね。これなら若い世代の方も、レコードを身近に感じてもらえるかと!

奏オリジナルの人気メニューができるまで

「湯浅町で食べられるのはココだけ!」と言える話題のメニューが多い奏さん。
常に提供するメニューを改良しながら、お客様の声に耳を傾けて新しい料理を開発されています。

メニューの立案はお二人でされているんですか?

そうですね。二人で考えることもあるし、
常連さんからご要望をいただいてメニュー化することもありますよ!
地元の金山寺味噌3種類の中からお好みの味噌を選べる「金山寺味噌×ロースカツサンド」も、その一つです。

お店によって味や風味が異なる金山寺味噌を選んで食べられるって嬉しいですね!地元の特産品を使ったメニューは他にもあるんですか?

湯浅醤油(有)さんの醤油と山葵入りマヨネーズを合わせた「十五穀パンサンドイッチ(エビアボカド)」も人気メニューの一つです!

美味しそうですね!お腹が空いてきました(笑)
メニューを立案する際にこだわっていることはありますか?

「他の店舗さんが提供していないもの」「私たちだから提供できるメニュー」にこだわっていますね。
どこでも食べられるものより、ここにしかないメニューの方が、私がお客さんなら嬉しいなと思うので。
それに私自身が「この味なら、わざわざ食べに行きたい!」と納得するまで、メニュー化はしないと決めているんです。

お二人の想いがたくさん詰まったメニューだったんですね。
「奏に来たらこれは食べてほしい!」という一押しメニューはありますか?

ローストビーフですかね!
おかげさまで大人気なので、事前予約をお願いしています。

おすすめの新作メニューはありますか?

以前より人気があった「ティラミスパンケーキ」をリニューアルしました。
おひとり様でも食べやすいサイズなので、食後のデザートにもおすすめですよ!

地元「湯浅」に根差したお店を目指すわけ

最近、DJイベントをされていましたね!企画はお二人がされているんですか?

僕たち主催というより、地元の若者がこの店を使ってイベントを企画したいと声をかけてくれたことで実現したイベントなんです。
僕たち以外の誰かが、この店を活用して自分のやりたいことを形にしてくれるのは、本当に嬉しいです。

地元の方との繋がりを大事にされているお二人だからこそ、実現したイベントだったんですね。

やっぱりこの町を初めて訪れた方はもちろん、地元の方にも親しんでもらえるお店にしていきたいですね。
この想いは、イベントを企画してくれた地元の若者たちと会話をしている中で、更に強くなりました。彼らの地元愛に良い意味で影響されたんです。

終わりに

地元民の憩いの場という機能だけに留まらず、地元を良くしようと志す若者たちとタッグを組んで居心地の良い店づくりを目指す奏さん。地元で育ち、この町をずっと見てきたカウさんだからこその視点が詰まった場所だと感じました。

『若い世代のための場所を作って、未来を人を育てていく』
そんな場所として長年愛され続けるんだろうなぁ…と、取材をしながら感じました。

始まったばかりの奏を舞台に、これからどんな化学反応が起こっていくんだろう…。
考えるだけでワクワクしますね!
湯浅町にお越しの際は、昭和歌謡をBGMに奏ならではのローカルフードをお楽しみ下さい。
旅の思い出に、その日グッときたレコードを買って帰るのもおすすめですよ♪