太田久助吟製の仕込み蔵密着取材!「金山寺味噌ができるまで」

太田久助吟製の仕込み蔵密着取材!「金山寺味噌ができるまで」

こんにちは、近頃話題の発酵食品が大好きな編集部のあいりです。こだわって発酵食品を食べるようになってから気付いたこと、それは『私の地元、発酵食品の宝庫だ!』ということ。本日は地元特産品のなかでも私が大好きな金山寺味噌にスポットを当ててお話します。お味噌と言えども、調味料の味噌ではないんですよ。

今回は特別に、金山寺味噌の製造を続ける「太田久助吟製(おおたきゅうすけぎんせい)」の蔵で仕込み風景に密着させていただけるとのことで、張り切って取材に出かけました。日頃よく食べる物がどうやって作られているのか、私は結構気になるタイプなんです。伝建地区内にお店を構える太田久助吟製では手作りにこだわり、昔ながらの製法で金山寺味噌を製造・販売しています。 

一日目:金山寺味噌のもととなる三種混合麹づくり

金山寺味噌とは、米・麦・大豆を麹にして、ウリ・ナス・しょうが・シソを加えた《食べるおかず味噌》です。お味噌汁に使うのではなく、ご飯のお供として食べるのが一般的な金山寺味噌は、製造蔵や製法によって味の違いがでる興味深い特産品です。一日目は蒸した大豆・米と炒った麦を混ぜ、麹にする工程を見せていただきました。

米・麦・大豆の3つの穀物にコウジカビの細菌をつけて麹をつくっていく過程で、何度も混ぜ合わせる作業が必要なんだそう。中腰姿勢で長時間混ぜ合わせる作業はかなりの重労働ですね・・・。

二日目:寝かせた麹に塩漬けしたお野菜を加える

二日目は発酵させた麹に塩漬けしたナス・ウリ・しょうが・シソを混ぜ、樽に仕込む工程です。

一日目に仕込んだ麹はほどよく落ち着いた様子。(写真:左)こちらに塩漬けしたお野菜(写真:上)を投入します。さらに山椒などの薬味を混ぜ合わせて樽仕込みがついに完成!(写真:右)

二日目の仕込みから金山寺味噌が完成するのは約二か月後なんだそう。どんな味と風味に仕上がるのか楽しみで仕方ありません。このあと樽は温度管理された室(むろ)でじっくり寝かされて、いよいよ金山寺味噌が出来上がります。

寝かせたお味噌の出来上がり

待ちに待った二ヶ月後。出来上がった金山寺味噌は、見た目にしっとり…そして、どこか鮮やかに完成していました。金山寺味噌の仕込み風景を取材させていただいて感じたのは、造り手さんの温かみです。「あわてずゆっくり時間をかける」からこそ出来上がる金山寺味噌。昔から同じ製法を守り続け、今に伝えられています。

手間ひまかけて作る工程の一つひとつが丁寧で、まるで麹の息遣いをうかがっているように見えました。そこに造り手さんの愛情が感じられて、無性に金山寺味噌が食べたくなりました。

どうやって食べる?

現在六代目店主を務める旦那様に「金山寺味噌の一番好きな食べ方は?」と尋ねてみると、「やっぱり茶粥と一緒に食べるのが一番ですかね」と答えてくれました。食べ方のバリエーションも楽しい金山寺味噌。食べたことがない人へのお土産にもぴったり。太田久助吟製の伝統の味をぜひご賞味ください。